PC初心者がよく遭遇するネットワークプロトコル・セキュリティの基礎
プロトコルとは、通信における規定の事です。PC初心者でなくても理解しにくくつまずきやすい分野ですが、この記事を読んで理解を深めましょう。

この記事を読むと下記の悩みが解決します。
・プロトコルとは何か
・代表的なネットワークプロトコル(IP、UDP、L2TP、PPPoE など)
・メール送受信の仕組み
・セキュリティプロトコル(TLS、IPsec、SSH)
・認証方式(CHAP、PPP)
・ネットワーク管理プロトコル(SNMP、ARP、RARP)
・ルーティングプロトコル(RIP)
をわかりやすく解説しています。
この記事では、初心者が混乱しやすい“プロトコルの役割”、を理解しやすく体系的にまとめました。
参考にしていただければ幸いです。
プロトコルとは?(通信のルール)
プロトコルとは ネットワークでデータをやり取りするための“取り決め(ルール)” のことです。
●例えば
・どのようにデータを送るか
・データをどの順番で送るか
・どのようにして相手を確認するか
これらを決めているのがプロトコルです。
代表的なネットワークプロトコル
IPスプーフィング
- 送信元IPアドレスを偽造して、IPパケットのなりすましを行う事。
- IPアドレスを偽装して攻撃する手法。
セキュリティの基礎知識として理解しておくべき内容です。(詳しくは下記リンクを参照ください。)
IPマルチキャスト/ブロードキャスト(通信方式)
私も混乱しましたが、下記は「通信方式」で「通信プロトコル」とは別物です。
マルチキャスト:特定グループに送信
ブロードキャスト:全員に送信
*他かにも「ユニキャスト:1対1通信」「エニーキャスト:複数台の中から最もアクセスが速い1つと通信する。」があります。
用途が異なるため、ネットワーク設計で重要になります。
L2TP(トンネリング)
PPP等のフレームをIPヘッダでカプセル化する事で、ルータを超えた複数の拠点間でフレームのやりとりを実現するトンネリングプロトコル。補足:暗号化の機能はない。
暗号化はないため、通常は IPsec と組み合わせて VPN を構築 します。
L2TPとIPsecの違い?
L2TP:カプセル化のみで暗号化はしない。
IPsec:暗号化する。

暗号化のみならばIPsec以外の暗号化とL2TPを組み合わせて使用すればいいのでは?

WindowsやMacに標準搭載されたことが大きいと思います。
別の暗号化と組み合わせた場合、それに対応した専用のソフトをインストールする必要があり手軽にVPNを作れない為でしょう。
PPPoE(PPP over Eehernet)
PPP(電話線時代の接続方式)をイーサーネット(LAN)上で実現するプロトコルです。
家庭の光回線で一般的に使われる方式です。(ユーザ認証機能)

夜間になるとネットが遅くなることについて詳しくは下記リンクを参照ください。
カプセル化
私も出張先から「Cisco AnyConnect」を起動し、社給ポケットWi-Fiを利用し社内ネットワークに入りカプセル化してます。
カプセル化されていないと、情報漏洩・盗聴などリスクに注意しましょう。
送信側でデータにヘッダを付けること。カプセル化されたデータは、PDU(Protocol Data Unit)と呼ばれます。
メール送受信の概略
送信側では、OSIの上位層より下位層にデータが進み、ネットワークの中継器を経由し受信側ではOSIの下位層から上位層にわたる。
(上位層でPDU化されたデータを下位層に受け渡すときはデータとなる。)
メールは以下のプロトコルで動きます。
- SMTP:送信
- POP3 / IMAP:受信
初心者が混乱しやすいポイントですが、
「送信=SMTP」「受信=POP/IMAP」と覚えると理解しやすいです。

セキュリティプロトコル(暗号化の基礎)
TLS(Webの暗号化)
通信の暗号化、データの改ざん等統合的なセキュアプロトコル。トランスポート層。
https等、ブラウザのアドレスバーの“鍵マーク”は TLS による暗号化です。
TLSは「特定のアプリやウェブサイト(LINEやネット通販)」を隠すもの。で通信の盗聴は防げますが相手が本物の詐欺師でしたら安全に詐欺師に通信されます。相手のサイトが偽物であるかの確認は別物です。
IPsec(VPNで使われる)
IPsecとは、道路全体にトンネルを掘って、その中を安全に移動する専用道路。
上記の「TLSは「特定のアプリやウェブサイト(LINEやネット通販)」を隠すもの」とIPsecは「会社と自宅のネットワーク全体」を丸ごとつなぐもの。用途が違います。
IPを拡張しセキュリティを高めたプロトコル。ネットワーク層。インターネットVPN(Virtual Private Network)で用いられる暗号化。
AH(認証を担う:Authentication Header)
ESP(認証と暗号化を担う:Encapsulated Security Payload)の2つのプロトコルを含む。
IPsecやSSL/TLS等の暗号化プロトコルが使用され、通信内容の機密性が確保される。Ipv6を利用した通信の暗号プロトコル。例)PCとサーバがIPv6を利用した通信をする場合ネットワーク層で暗号化される際に利用するプロトコルです。
SSH(安全なリモート接続)
公開暗号かぎを利用し遠隔地にあるPC(リモート接続など)と安全に通信するために利用される。
公開鍵: 誰に渡してもいい「南京錠」です。サーバー(操作される側)に設置します。
秘密鍵: 自分だけが持つ「本物のカギ」です。手元のパソコンに厳重に保管します。
サーバー管理で必須のプロトコルです。
・通信が全て暗号化されている為、安全です。
・従来のTelnetは暗号化されてませんでしたが、SSHは暗号化されている為安全です。
参考:リモートディスクトップ(アプリケーション層:Windows11の場合)
ここでは、私が離れた場所のPCを少し動作させる場合、遠隔操作する手段の1つで、自分のPCより離れた場所に設置しているPCの画面を表示させ操作を行う為の解説をします。
事前準備として双方のPCでの設定が必要になります。
接続される側の設定
「スタート」→「設定」→「システム」→「リモートディスクトップ」をクリックしリモートディスクトップをオンにする。リモートディスクトップを有効にしますか?と聞いてくると「確認」をクリックする。
接続する側の設定
「スタート」の横の検索ボックスに「リモート」と入力すると、リモートディスクトップ接続が出るのでそれをクリックする。リモート接続の コンピュータの欄に接続するコンピュータのホスト名またはIPアドレスを入力する。資格情報を入力してください(接続先のコンピュータにサインインするためのユーザIDやパスワード)を入力しOKをクリックする。セキュリティ証明書に関する警告が出ると「はい」をクリックしてください。
上記でリモートディスクトップの設定は、完了です。
※ リモートディスクトップを行う条件。
・接続先コンピュータのアドレスが固定IPアドレスである。
・接続先のコンピュータがすでにサインインされ動作中であること。
・ドメイン設定が可能なOS( Windows11Proなど)
認証プロトコル(ユーザー確認の仕組み)
CHAP(Challenge Handshake Authentication Protocol)
PPP等で利用されるチャレンジレスポンス方式を採用した認証プロトコルです。
パスワードを直接送らず、
“チャレンジ”と“応答”で認証する安全な方式です。

従来の「PAP」と何が違うのでしょうか?

セキュリティの強さが違います。PAPは平文でパスワードが送られますがCHAPでは暗号化され計算及びランダムに発生する為、PAPより強いです。ちなみにルータの設定で選択する場合は「CHAP」を優先してください。
PPP(Point to Point Protocol)
2点間を接続するためのプロトコルとして使われる。(インターネットプロバイダーと自宅ルーター)
PPPはユーザ名、パスワードで安全にデータを届ける役割を担っています。
PPPoE の基礎となるプロトコルです。
OCSP(Online Certificate Status Protocol)(証明書の有効性確認)
オンライン証明書状態プロトコル:デジタル証明書が失効しているかをオンラインで確認できるプロトコル。
デジタル証明書(デジタルの印鑑証明書)の失効情報を検証・確認できる。
HTTPS の裏側で使われる仕組みです。
これまでの方法(CRL)とは何が違うのか?
結論|「ブラックリストを丸ごとダウンロードするか」「その都度ピンポイントで聞くか」の違いです。
- CRL(証明書失効リスト): 無効になった証明書の「巨大なリスト」をブラウザが毎回ダウンロードして探します。重くて遅いです。
- OCSP: 「この証明書、今大丈夫?」と専用サーバーに1件だけ問い合わせます。通信量が少なく高速です。
NLA(ネットワークレベル認証)
- NLAあり:接続した後に、認証ダイアログが開く。
- NLAなし:接続した後に、相手先PCのログイン画面が開く。
私も利用しています、リモートディスクトップで使われる認証方式です。
資格情報は暗号化されているため、盗聴などなく安全です。
時刻同期(NTP)
NTP(Network Time Protocol):時刻同期プロトコルで、トランスポート層のUDPを使用しポート番号は123です。
UDP(User Datagram Protocol):インターネットで使われる通信プロトコルの一つで、TCPと同様にIPの上位層で動作します。TCPとは異なり、UDPはコネクションレス型(通信する相手を確認せず一方的に送信する方法です。)で、データの到達確認や順序制御を行わないため、高速な通信が可能です。そのため、途中でデータが抜け落ちても問題の少ない、音声や映像のストリーミング、オンラインゲームなど、リアルタイム性が求められるアプリケーションでよく使われます。
ネットワーク機器は 時刻がズレるとログ解析が困難 になるため、NTP は非常に重要です。
【補足】インストールするソフトの仕様上世界標準時間で表示されている場合、その時間+9時間で日本時間とみてください。
ネットワーク管理プロトコル
SNMP(Simple Network Management Protocol)(機器監視)
ネットワーク上の構成機器や障害時の情報収集を行う場合に使用されるネットワーク管理プロトコルです。
監視ツールで広く使われます。

SNMPの要素と通信の種類はどのくらいあるの?

要素は下記ですが主に「Get」「Set」「Trap」の3要素です。
- Get-Request(取得要求):マネージャーからエージェントへの「要求」 特定のデータを1つ指定して「この値を教えて」と要求します。
- GetNext-Request(次候補取得要求): 指定したデータの「次のデータ」を要求します。
- GetBulk-Request(一括取得要求) ※v2c/v3で追加: 大量のデータを一度の通信でまとめて要求します。GetNextを何度も繰り返す必要がなくなるため、通信が劇的に高速化しました。
- Set-Request(設定要求): 機器のパラメータを「この値に変更して」と書き換えます。
- Response(応答): エージェントからマネージャーへの「応答」、上記のGetやSetの要求に対して、エージェントが「結果はこれです」または「エラーです」とデータを送り返します(v1ではGet-Responseと呼ばれていました)。
- Trap(トラップ): エージェントから自発的に送る「アラート」、機器に異常が起きた際、マネージャーに対して一方的に「大変だ!」と通知します。届いたかどうかの確認(返事)は求めません。
- Inform-Request(インフォーム要求) ※v2c/v3で追加: Trapと同じ緊急通知ですが、マネージャーからの「届いたよ」という受信確認(Response)を要求します。もし返事がなければ、届くまで通知を再送するため、Trapよりも確実に異常を知らせることができます。

通信の種類は、構成要素(3つ)+管理要素(2つ)です。
- SNMPマネージャー(SNMP Manager)
- SNMPエージェント(SNMP Agent)
- 管理対象オブジェクト(Managed Object)
- MIB(Management Information Base:ミブ)
- OID(Object Identifier)
ARP(Address Resolution Protocol)/RARP(Reverse Address Resolution Protocol)
ARP:IPアドレスからMACアドレスを得るプロトコル
RARP:MACアドレスからIPアドレスを得るプロトコル。
LAN内通信の基礎です。
VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)(ルーター冗長化)
複数台のルータを束ねて冗長化するプロトコル。
ルーターの故障に備える仕組みです。

どのような仕組み?

複数のルーターをグループ化しユーザからは1台の仮想ルーターしか見えない。

信号を処理する1台は、マスタールーターで残りの待機系はバックアップルーターです。障害時はマスターからバックアップに即切り替えられる。
ICMP(ping)
pingで確認するときのプロトコル。
他にもネットワークの配信エラー通知や送達エラーを通知する機能を提供している。
ネットワーク疎通確認の基本です。

ICMPはTCPやUDPと何が違うのか?

データ転送を目的としていない事です。
TCP/UDPはデータ転送目的でアプリケーション層。
ICMPはネットワーク層の機能そのものの補佐。
SOAP
分散システムやWebサービスにおいて、他のシステム上のサービスとXMLデータとメッセージをやり取りするための通信プロトコルです。

Web検索エンジンのSitemap.xmlと何か関係するのですか?

無関係です。Sitemap.xmlとは役割が違います。
Webサービス(API)通信で使われます。
ルーティングプロトコル(RIP)
RIP(Routing Information Protocol):ゲイトウェア間のホップ数により経路を制御するプロトコル。
RIP は最も基本的なルーティングプロトコルで、“ホップ数が少ない経路”を選びます。

ホップ数とは?

ルーター同士、情報を交換し最適な経路を自動で割り出しています。
その経路を経由するルーターの台数です。
最大15台と決まってます。
まとめ:プロトコルを理解するとネットワークの全体像が見える
最後まで閲覧くだされありがとうございました。またお疲れさまでした。
プロトコルは難しく見えますが、「通信のルール」 と考えると理解しやすくなります。
●おさらい
・IP・UDP・L2TP・PPPoE
・TLS・IPsec・SSH
・CHAP・PPP・OCSP
・SNMP・ARP・ICMP
・RIP
ここでは。ネットワークプロトコル・セキュリティに特化し解説しました。
これらを理解すると、ネットワークの仕組みが一気にクリアになります
参考にしていただければ幸いです。





